+--- 最終章 ---+

私は2005年に再発が見つかってからの5年間手術を避けてきました。

おかげで4.5cmもの大きな腫瘍に成長してしまいました。

そもそも何で手術を避けてきたかと言うと

2、3年に一回来る手術をあと何回続けて行けばいいのか?

と言う医療に対する不信感からでした。

でも今回は手術することを決断しました。

それに至るまでの気持ちの変化です☆


2010年12月                                 ようちん34歳
知人にセカンドオピニオンを受けてみないか?としつこく提案されてMRIを撮ってみました。
2人のお医者さんの紹介状を書いてもらいました。
どうせどの先生も大きくて焦って手術をしましょって言うだけだろうなと思っていましたが私は手術を受ける気はありませんでした。

改めて4.5cmの腫瘍・・・でかっ・・・
   



2011年1月17日
横浜S病院 脳外科
遠くてだいぶ道に迷ってしまいました・・・

言われたことは・・・
・脳幹に達してしまうと、麻痺どころではなく生命が危ないと言うこと。
・もう既に脳幹を圧迫している事。
・手術は1年は待てない事
・術後も歩けなくなってしまう可能性がある事
・今の状態なら顔面麻痺の可能性は50%ぐらいに抑えられること。

死って・・・
死ぬ病気ではないのですが。
よく乳がんで胸を摘出しなくてはいけないのを嫌がって亡くなっていく人と同じなのかなと思いました。
私のやっていることはただの意固地なのか??
でも繰り返す手術は嫌だし。
やっぱりこの日も泣きながら帰りました。。。


2011年2月18日
東京警察病院 脳外科K先生

私はこの日の帰りに手術をすることを決めました。
理由は初めて泣かないで帰ったからです。

言われたことは・・・
・一般的な腫瘍は2cmぐらいで手術をするので4cmあると大きめだと言うこと。
・脳幹に近いので手術をしなくてはいけないこと。
・脳幹の癒着も考えて半年以内に手術をしたほうが良いという事。
・大きさから言って放射線では無理なのでオペで取ったほうがいいと言う事。
・顔面麻痺は出るかもしれないけれど、先生のやった患者さんは3ヶ月ぐらいで治っている。最初は顔がまがって嫌かもしれないけど治る事を考えると顔面麻痺がずっと残る可能性は極めて低いと言う事。

【だいたいの会話です】
先生「紹介状を見ると顔面麻痺が嫌だからって手術を避けているみたいだけど・・・」

私「顔面麻痺ももちろん嫌ですけど私は発病してから2年に一回手術を受けたり再手術の宣告を受けています。手術も術後も辛いです。この先も何回も手術をするんだったら何か支障が出てから手術をしたほうがいいと思ったんです!!」

先生「こんな言い方をして気分を害してしまったら申し訳ないけど・・・再発をしたと言うよりは取れていなかったんだよ。機能を温存する事ばかりを考えて写真を見ても成長点に全然手を付けていない。10%は再発をする病気だけどあなたの場合は再発とはいえない。取れてなかったものがただ成長しただけですよ。」

私「・・・そうですか」


私はこの時、私の2回の手術はなんだったんだ・・・と言うショックとそれとは別にものすごく嬉しい気持ちになりました。
この12年間、何で私だけが再発するのか?と考えてきました。再発するんだったらギリギリまで手術をしないと考えていました。
でも、再発したんじゃなくて取れていなかっただけなんだ・・・と思いました。
原因が分かって気が抜けたというか嬉しいというか・・・
じゃあもしかしたら、次にこの先生にやってもらったら終わることが出来るかも・・・と思いました。

この日帰りのバスに乗りながら複雑な気持ちでずっと考えていました。
でも家に着く頃にはもう一度手術をがんばってみようかな・・・と言う気持ちになっていました。


2月26日
東京警察病院 
手術を受けることにしました。
手術日は5月10日
くしくも1回目の手術と同じ日になりました。
今回で終われますように・・・


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